この記事でわかること
- 神経発達症(発達障害)のある子が通信制高校・サポート校を選ぶときのポイント
- 学校選びで「ここだけは確認してほしい」こと
- 千葉県内で神経発達症のある生徒の受け入れに力を入れている学校の特徴
はじめに|「うちの子に合う学校、あるんだろうか」と感じているあなたへ
「全日制の高校には行けなかった。でも、高校卒業資格は取ってほしい」
「発達の特性があるから、普通の学校では難しいと言われてきた」
「本人もやる気はあるのに、環境が合わなくて傷ついてしまった」
こうした思いを抱えて相談に来る保護者の方、そして生徒本人が、筆者がこれまで関わってきた中にも数多くいます。
最初にはっきりお伝えします。
神経発達症(発達障害)のある子が安心して通える高校は、確実に存在します。
むしろ、通信制高校やサポート校の中には、神経発達症のある生徒の受け入れを積極的に行い、一人ひとりの特性に寄り添った支援体制を整えている学校が多くあります。
大切なのは、「どこでもいい」ではなく「うちの子に合っているかどうか」を見極めること。この記事では、現場の教員として多くの生徒・保護者と関わってきた経験をもとに、学校選びのポイントを詳しく解説していきます。
まず確認|「神経発達症」とはどんな状態のことを指すの?
「発達障害」という言葉は広く知られていますが、近年は医療・教育の現場で「神経発達症」という表現も使われるようになっています。この記事では、両方の表現を用いながら説明していきます。
神経発達症(発達障害)には、主に以下のような特性が含まれます。
- ADHD(注意欠如・多動症):不注意・衝動性・多動性が特徴。「忘れ物が多い」「じっとしていられない」「衝動的に動いてしまう」など
- ASD(自閉スペクトラム症):コミュニケーションや対人関係の困難さ、こだわりの強さが特徴。「場の空気を読むのが難しい」「急な予定変更が苦手」など
- LD(学習障害・限局性学習症):読む・書く・計算するなど特定の分野だけに困難がある
- DCD(発達性協調運動症):身体の動きの調整が難しい
- グレーゾーン:診断はついていないが、いくつかの特性を持っている状態
これらは「能力の問題」ではなく、脳の働き方の違いによるものです。適切な環境と支援があれば、自分のペースで学び、卒業し、自分らしい進路を歩んでいくことができます。
神経発達症のある子が全日制高校で困りやすい理由
全日制高校が「合わない」と感じやすい場面を整理しておきます。これは、通信制高校やサポート校を選ぶ理由にも直結します。
毎日決まった時間に登校することの難しさ
起立性調節障害を併発しているケースも多く、朝に体が動かない日が続くと、出席日数の問題につながります。
集団の中での学習の難しさ
クラス全員が同じペースで進む授業スタイルは、得意・不得意の凸凹が大きい神経発達症の特性とは合わないことがあります。
人間関係・コミュニケーションの難しさ
クラスという固定集団の中で、毎日関わり続けることに強いストレスを感じる生徒は少なくありません。
感覚過敏の問題
騒がしい環境・蛍光灯の光・制服の素材など、感覚的なストレスが積み重なって疲弊してしまうケースもあります。
こうした困難は、本人の「弱さ」や「怠け」ではありません。環境と特性のミスマッチによって生じているものです。
通信制高校・サポート校が「合いやすい」理由
では、なぜ通信制高校やサポート校が神経発達症のある生徒に合いやすいのでしょうか。
① 登校日数・時間を柔軟に選べる
「週1日から始める」「午後からでも大丈夫」「調子が悪い日は休んでいい」——こうした柔軟なスタイルが、体調や気分に波がある生徒にとって大きな安心感につながります。
② 少人数・個別対応がしやすい環境
全日制のような大人数のクラスではなく、少人数での授業や個別対応が可能な学校が多くあります。先生との距離が近く、困ったときに相談しやすい環境が整っています。
③ 自分のペースで学習を進められる
通信制高校はレポート・スクーリング・単位認定試験で単位を修得する仕組みのため、自分のペースで学習を進めやすいです。「わかるまで繰り返す」「得意な科目を先に進める」といった柔軟な学び方ができます。
④ 選択肢が広い
好きなことや得意なことを活かせる選択授業が充実している学校も多く、「勉強だけが高校じゃない」という環境を実現しやすいです。
学校選びで確認してほしい7つのポイント
神経発達症のある子の学校選びでは、一般的な学校選びのポイントに加えて、特に確認しておきたいことがあります。
① 受け入れ実績があるかどうか
「発達障害の生徒も受け入れています」という一言だけでなく、具体的な実績や支援の内容を教えてもらえるかどうかが重要です。
「ADHD・ASDの生徒が在籍しています」「グレーゾーンの生徒も多いです」といった具体的な答えが返ってくる学校は、実態として受け入れ経験が豊富な可能性が高いです。
② 個別の特性に合わせた支援ができるか
「全員同じ支援」ではなく、お子さんの特性に応じた個別対応ができるかどうかを確認しましょう。
たとえば、WISC(ウェクスラー知能検査)などの心理検査の結果を活用した支援を行っている学校は、特性の理解と支援の質が高い傾向があります。
③ SSTや特性に関する授業があるか
SST(ソーシャルスキル・トレーニング)とは、対人関係やコミュニケーションのスキルをトレーニングする授業です。神経発達症のある生徒にとって、こうした授業は学校生活を送るうえでの大きな支えになります。
単に勉強を教えるだけでなく、社会性を育む機会があるかどうかも、学校選びの重要な視点です。
④ 先生が特性を理解しているか
「こういう特性の生徒には、こういう関わり方をしています」と具体的に答えられる先生がいる学校は信頼できます。逆に、特性についての質問にあいまいな答えしか返ってこない場合は、慎重に判断しましょう。
⑤ 感覚過敏への配慮があるか
感覚過敏のあるお子さんにとって環境は非常に重要です。
「授業の雰囲気はどうですか?」「静かに過ごせる場所はありますか?」など、具体的な環境面について確認してみてください。
⑥ 「調子が悪い日」の対応はどうなっているか
神経発達症のある生徒は、体調や精神状態に波があることが多いです。調子が悪い日が続いたときに、学校がどのように関わるのかを確認しておきましょう。
「連絡をくれれば一緒に対応策を考えます」「担任が定期的に連絡を取ります」といった具体的なサポートがある学校を選ぶと、入学後の安心感につながります。
⑦ 卒業後の進路支援はあるか
高校卒業資格を取ることがゴールではありません。卒業後の大学進学・専門学校・就職に向けた支援がある学校かどうかも、長い目で見て重要なポイントです。
学校見学・個別相談で使える質問
実際に学校見学や個別相談に行く際、以下の質問を参考にしてみてください。
- 神経発達症(発達障害)のある生徒の受け入れ実績を教えてください
- WISC等の心理検査の結果を活用した支援はしていますか?
- SSTなど、社会性を育む授業はありますか?
- 環境面の配慮はありますか?
- 調子が悪くて登校できない日が続いたとき、どのようなサポートをしていただけますか?
- 担任や支援担当との面談はどのくらいの頻度でありますか?
これらの質問に対して、具体的かつ丁寧に答えてくれる学校であれば、受け入れ態勢が整っている可能性が高いと言えます。
千葉でこのタイプの学校を探している方へ
千葉県内にも、神経発達症のある生徒の受け入れに力を入れている通信制高校・サポート校が複数あります。
その中でも、新松戸エリアにある興学社高等学院(通信制高校)は、神経発達症のある生徒へのサポートに長年取り組んでいる学校のひとつです。
学校の詳細は、こちらのページからご覧いただけます。
まとめ
神経発達症(発達障害)のある子の学校選びで、大切にしてほしいことを改めてまとめます。
- 「受け入れている」という言葉だけでなく、具体的な支援内容と実績を確認する
- SSTや個別支援など、特性に合わせた関わりができる学校かどうかを見る
- 「調子が悪い日」の対応など、入学後のイメージを具体的に描いてから決める
- 説明会・見学では遠慮なく質問する。丁寧に答えてくれる学校が信頼できる
「うちの子に合う学校なんてないかもしれない」と感じているお子さんや保護者の方に、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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この記事は通信制高校・サポート校に長年勤務した教員が、実際の担任・面談経験をもとに執筆しています。