この記事でわかること
- 全日制高校から通信制高校へ転入を考えるきっかけ
- 転入の流れと手続きの基本
- 「いつでも転入できる」は本当か?時期・タイミングの注意点
- 転入前に確認しておくべきこと
はじめに|「今の学校を辞めたい」と感じているあなたへ
「学校に行くのがつらい」「このまま今の高校に通い続けることができない」
そう感じながらも、「転校なんてできるのだろうか」「手続きが大変そう」と踏み出せずにいる生徒・保護者の方は少なくありません。
筆者は通信制高校・サポート校で長年教員として勤め、転入してきた生徒を何人も迎えてきました。この記事では、転入を考え始めた方が知っておくべき基本的な流れと、現場でよく聞かれる疑問にお答えします。
なぜ転入を考えるのか|よくある3つのきっかけ
転入を決意するきっかけはさまざまですが、現場で多く聞くのは次の3つです。
① 友人関係のトラブル
クラスメイトとの揉め事、いじめ、グループの人間関係——こうした友人関係の問題がきっかけで学校に行けなくなるケースは非常に多いです。「環境を変えたい」という気持ちが転入への動機になります。
② 勉強についていけない
全日制高校の授業スピードや学習量についていけず、欠席が増えていくパターンです。「単位が取れないまま進級・卒業できないかもしれない」という不安が、転入を考えるきっかけになることもあります。
③ 先生との関係
担任や教科担当の先生との相性が合わない、コミュニケーションがうまくいかないという悩みも、転入のきっかけとして少なくありません。
いずれの場合も、「逃げ」ではなく「自分に合った環境を選び直す」という前向きな選択です。通信制高校への転入は、高校生活をリスタートするための有効な手段のひとつです。
転入と編入の違い
まず「転入」と「編入」の違いを整理しておきましょう。
| 転入 | 編入 | |
|---|---|---|
| 前籍校 (前の学校) | 在籍したまま手続き | すでに退学している |
| 単位の引継ぎ | 修得済みの単位を引き継げる | 修得済みの単位を引き継げる |
| タイミング | 在籍中に手続きできる | 退学後に手続き |
転入の方が圧倒的におすすめです。
退学してから編入するより、在籍したまま転入先を決めてから手続きする方が、単位の引継ぎもスムーズで、空白期間が生まれません。「とりあえず今の学校を辞めてから考えよう」ではなく、在籍中に転入先を探すことを強くおすすめします。
転入の流れ
全日制高校から通信制高校へ転入する際の基本的な流れを説明します。
STEP 1|転入先の通信制高校を探す・個別相談を受ける
まず転入先の候補を探し、個別相談や学校見学に参加します。この段階では、まだ現在の学校に転学の意思を伝えなくても大丈夫です。
個別相談で確認しておくべきこと:
- 転入の受け付け時期・定員に空きがあるか
- 修得済みの単位をどれだけ引き継げるか
- 転入後に必要なスクーリング・レポートの量
STEP 2|転入先を決める
個別相談を経て転入先が決まったら、転入学試験後、入学手続きを進めます。
STEP 3|現在の学校に転学の意思を伝える
転学先が決まってから、現在在籍している学校の担任・学校側に転学の意思を伝えます。
「いつ現籍校に伝えるべきか」という質問をよく受けます。
基本的には、転入先がある程度決まってから伝えるのが安心です。 先に現籍校に話してしまうと、引き止められたり、気まずい状況が続いてしまうケースがあります。転入先の見通しが立ってから話すことで、スムーズに手続きが進みやすくなります。
STEP 4|必要書類を準備する
必要書類は転学先の学校によって異なります。必ず募集要項で確認してください。
必要になる可能性が高い書類は下記の通りです。
- 在学証明書
- 調査書 / 成績証明書(単位修得証明書)
- 転学同意書(学校によって書式が異なる)
書類の発行には時間がかかることがあるため、余裕を持って依頼しましょう。
STEP 5|転入先で手続きを完了・転入
書類提出・入学金の支払いなど、転学先の指示に従って手続きを完了させます。
「いつでも転入できる」は本当か?
「通信制高校はいつでも転入できる」と思っている方が多いですが、実際には学校によって大きく異なります。
転入の時期・タイミングに注意
通信制高校の中には、転入の受け付け時期を制限している学校があります。たとえば、「年内(12月末)までしか転入を受け付けない」という学校も存在します。
また、定員が設けられている学校では、希望する時期に転入できない場合もあります。
「いつでも大丈夫だろう」と思って後回しにしていると、転入できる時期を逃してしまう可能性があります。 転入を考え始めたら、早めに候補の学校に問い合わせることをおすすめします。
早めに転入した方が負担が少ない理由
転入した場合でも、卒業のためにはスクーリングやレポートの提出が必要です。
年度の途中での転入では、その年度内に必要なスクーリング回数やレポート数をこなさなければならないため、転入が遅くなるほど短期間で集中して取り組む必要が出てきます。
学校によっては転入時期に応じてスクーリングやレポートの減免措置を設けているところもありますが、すべての学校で対応しているわけではありません。
転入を考えているなら、なるべく早めに動くことが、その後の負担を減らすことにつながります。
転入前に必ず確認しておくこと
転入先の個別相談では、以下の点を必ず確認しましょう。
転入の受け付けについて
- 転入の受け付けはいつまでですか?
- 現時点で定員に空きはありますか?
単位・スクーリングについて
- 現在修得している単位はどれだけ引き継げますか?
- 転入後、今年度中に必要なスクーリング回数・レポート数はどのくらいですか?
- 転入時期によってスクーリングやレポートの減免措置はありますか?
手続きについて
- 必要な書類は何ですか?
- 手続きの流れと、いつまでに何をすればいいか教えてください。
まとめ
全日制高校から通信制高校への転入は、決して「逃げ」ではありません。自分に合った環境を選び直す、前向きな決断です。
転入を考えている方へ、特に伝えたいことが2つあります。
① 退学する前に転入先を決める 在籍中に手続きを進める「転入」の方が、退学後の「編入」よりスムーズです。空白期間を作らないためにも、今の学校に在籍したまま転入先を探しましょう。
② 早めに動く 「いつでもできる」と思って後回しにすると、受け付け時期を逃す可能性があります。転入を考え始めたら、まず候補の学校に問い合わせてみることが大切です。
一歩踏み出すことが不安な方も、まずは個別相談への参加から始めてみてください。
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この記事は通信制高校・サポート校に長年勤務した教員が、実際の担任・面談経験をもとに執筆しています。